秋が深まると、葉を落とす準備のために、光合成を行う葉緑素(クロロフィル)の再生産を止めます。残った葉緑素は次第に分解され、葉の緑色が薄まっていきます。
次第に緑色に隠れていたカロティノイドという黄色の色素が目立ち、葉は黄色く変わっていきます。黄色くなるというより、緑色がなくなり黄色が残ったと言う方が正確です。

黄葉する木といえば、銀杏(イチョウ)が代表ですが、ほかにもエノキ、カラマツ、ブナなど様々な木があります。

その中で銀杏は近縁種がなく「生きている化石」と言われます。日本には室町時代ごろに中国から伝わり植林されたようです。中国でわずかに自生している銀杏は、絶滅危惧種に指定されています。絶滅危惧種というと弱々しい印象を受けますが、常に排気ガスにさらされる街路樹として銀杏並木が使われるように、強健な特徴を持っています。また、とても長寿な木です。

もともとは種子の銀杏(ぎんなん)を薬にするために中国より持ち込まれました。漢方薬としての銀杏には、痰切りや毒消、頻尿の改善など様々な効用があります。ただし、銀杏には、有毒な成分も含まれており、食べすぎると危険です。とってもおいしい銀杏ですが、食べすぎには気を付けましょう。

見てもよし、食べてもよしの銀杏でした。

T.K