吉川一義さんは20世紀文学の最高峯マルセル・プルースト研究の第一人者です。2018年12月21日(金)の「ほろ酔いシンポジア」では、プルーストの「失われた時を求めて」の真髄とも言うべき、さまざまな愛のかたちの中でも、主人公(私)と祖母の愛を語りながら時間と心の交錯を文学として呈示するしかけを論理性と優しさというキーワードでわかりやすく解説してくれました。

プルーストの文学は「失われた時を求めて」に集大成されていますが、その作品があまりに長大なので、多くの読者は、途中であきらめて放棄してしまうと吉川さんは言います。それはあまりにもったいないことです。

吉川さんは、研究者としての人生をかけてプルースト研究に打ち込み、2019年の夏頃にはその成果として「失われた時を求めて」(岩波書店)の翻訳全14巻が完結し岩波書店から出版の予定です。

個人での日本語完訳者は吉川さんで3人目だそうです。

吉川訳の特徴は本当に難しい内容を精確さを失うことなく見事に日本語にしているところにあります。

現在までのところ、13巻までが出版されております。

「読まないと一生の損」だと思いますので、一度お手に取ってご覧いただきたいと思います。

シンポジア動画のURLは近々発表いたします